本書は、ビル・ゲイツと並ぶアメリカの大資産家、ウォーレン・バフェットとその投資手法について書いたものである。単にバフェットを礼賛した本ではなく、冷静な視点で偉大なる投資家とその手法を分析している。 本書の第1章〜3章では、グレアムやフィッシャー、マンガーとの出会いに始まり、バフェットがいかにして投資家としての能力を身につけていったのかが克明に記録されている。3人の投資理論のエッセンスを手っ取り早く学ぶ良い機会ともなる。 第4章からは、バフェット流投資術の秘密に迫る。12項目にわたるバフェットの原則と、それを当てはめて成功したコカ・コーラ社への投資例が紹介されている。さらに、第5章ではバフェットが行ったフォーカス投資とその是非について、第6章では「ポートフォリオを構成する銘柄数を少なくしていくと、市場の収益率よりも高い収益率を生む確率が高くなる」というフォーカス投資の有効性を裏づける興味深い分析結果も示されている。 第6章までを読めば、バフェットの投資理論のエッセンスは理解できるが、本書はそれだけでは終わらない。理論を実践するには強靭な精神力が必要だ、ということで、バフェットやマンガーの言葉を引きながら投資において重要な心理的側面が語られているのである。 そして、第8章では、バフェットが挑まなかったハイテク産業にバフェットの原則を応用する試みがなされ、さらに今後訪れるチャンスについて言及されている。優秀な投資家であり経営者、バフェットについて知りたい人はもちろん、バフェットの投資理論を実践に生かしたい人にとっても有意義な1冊である。(土井英司)
バフェット氏について幅広く書かれた良書
この本はタイトルが「バフェット投資の真髄」ですが、内容は
バフェット氏の生い立ちから彼の一般的な投資哲学はもとより
彼に多大な影響を与えたとされるベンジャミン・グレアム氏
などの紹介から、巨額投資したコカ・コーラ社の歴史と背景、
彼のバリュー投資に対極するモダン・ポートフォリオ理論に関する
解説、同じ投資スタイルを持つビル・ミラー氏などの紹介、
株式投資に関する心理的な面までとても幅広くしかも
詳細に書かれています。バフェット氏に興味を持たれた方で
まだ彼の著書を読んでいない方には特におすすめです。
ただバフェット氏の投資に関する実践的な内容が知りたい方は
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」の方がよいと思います。
要旨だけでないところがおすすめ
この本は要旨の部分は灰色で明記されています。しかし、具体的な例や、場合によっては数値も、本文には載っています。また、バフェットという人についての認識を書いている本でもあり、アメリカの長者番付でも上位になる投資家はどういう人であるかを見ていく本として有効と思います。
オーナーとしての視点
バフェットの1年の成果はどれだけ株価が上昇したかではなく、
その会社がどれだけの収益をあげられたかであり、
投資目的は10年後のオーナー利益(営業CF?投資CF)を最大化にすることだそうです。
今までの投資でそんな考え方をしたことがありませんでした。
バフェットのような長期投資を考えている人には、「価値」のある本です。
バフェット本の決定版
これまで出ているバフェット本の中で1番読みやすく、投資の王道が理解できる最良の教科書だと思う。 ”選び抜かれた企業の株を、長期間フォーカス(集中)投資する”。投資家はこの言葉を心に刻み、証券分析(株価分析ではない)行っていかなければならない。 個人的に、この本と『億万長者を目指すバフェットの銘柄選択術』を読めば哲学と実践、両方十分に学べると思う。
個人投資家はぜひ読んでみてください
相場動向だの今のテーマ(旬)がどうのこうのという、相変わらずの「株屋」体質とそれに嬉々として便乗するトレーダーたち。そんなものとは距離を置いてじっくり投資に取り組みたいと思っている人であれば、投資する額の多少に関わらず読んでおくべき本。インデックス投資こそすべてと思っている人にも一読を薦める。ピーター・リンチの著作と合わせて読んでみると、バフェットとリンチの共通点と微妙な違いがわかって面白い。
ダイヤモンド社
こっそり読みたい相場の法則 バフェット投資の王道 投資参謀マンガー ― 世界一の投資家バフェットを陰で支えた男 ビジネスは人なり 投資は価値なり―ウォーレン・バフェット 最高経営責任者バフェット~あなたも「世界最高のボス」になれる (ウィザードブックシリーズ)
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